令和になった2019年もVR元年!教育×VRのイマ【連載:宇宙×VR×教育 第一弾】
最近ではVR(仮想現実/人工現実感)という言葉を耳にすることが多くなってきました。
2016年に「VR元年」と呼ばれてから毎年がVR元年と囁かれています。
令和となった2019年こそ本当のVR元年!といった記事も出てきており、
元年の盛り上がりは留まることを知りません。
さて、そんなVR元年となった近日では、
エンタメ用のみならず建築や会議、自動車の展示といった様々な分野における実用例が多くなってきました。
その一つに「教育」があげられます。
そこで今回は
・最先端VR教育の事例
・教育VRのメリット・デメリット
・Yspaceの「VRを用いた宇宙教育」
についてご紹介したいと思います。
VR×教育のイマ
初めに、下記の図をご覧ください。これはアメリカのVR/AR専門投資ファンドThe Venture Reality Fundが毎年出している世界のVR業界マップの2018年版です。教育は右上の赤で囲われた部分です。有名な企業から、日本では耳にしない企業もありますね。
この中のいくつかの事例を見てみましょう
STEM教育向け仮想研究室
2019年4月25日にはVRによるSTEM (Science, Technology, Enginneeing and Mathematics) 教育を推進するデンマークの会社Labsterが2019年に$2.1M (約23億円) の資金調達をしたことが話題となっていました。
Labsterが米Google社と連携して行うのは仮想研究室。なんと実験や実習が欠かせない生物学や化学の学位取得を遠隔で行えるようにするというものです。
これによってより多くの学生が研究環境を得ることができるようになります。
現在Google Playストアでアプリが配信されています。
シンガポールで最先端教育
シンガポールは2017年頃から政府主体で学校教育にVRを導入することを試みています。
植物工場の体験や、バーチャル空間上での3Dアート製作といった試みが実際に行われています。
Google Expeditions
GoogleはVRまたはAR (拡張現実) で校外学習を可能にするAndroid/iOS向けアプリGoogle Expeditionを2018年から無料で公開しています。
様々なツアーパッケージが用意されています。筆者のおすすめは、イタリアの天才レオナルド・ダ・ヴィンチが残した構図や設計図を立体的に見ることのできるDa Vinci's Inventionsです。
VR教育メリット・デメリット
このように様々な事例が出てきて、VR教育の利点や課題も見えてきました。
メリット
・子供の興味関心の誘発が可能
・通常では実現が困難/不可能な疑似体験による高い学習効果
デメリット
・機材の導入コスト
・年齢制限
VRは高い没入感があり、一から世界を作り出すことができるため、対象に対して興味関心を得やすい利点があります。そして通常では用意できない環境での疑似体験を通して高い学習効果が期待できます。その一方で機材の導入のコストはかかってしまったり、機材によっては対象が13歳以上、8歳未満は使用禁止といった年齢による制限がかかっているものもあることが今後の課題となりそうです。
Yspaceが考えるVR教育
Yspaceはこれまでに数回、VRを用いた宇宙教室などを行ってきました。
前項のメリット・デメリットで述べたように、VRによる教育は高い学習効果が期待できます。特に“宇宙“という分野は、実際に行ったり見ることができる機会が非常に限られているため、VRとの融和性があります。
そしてYspaceの宇宙VR教育コンテンツでは以下の要素を大切にしています。
・インタラクションを入れて楽しく体験的に学べる
現在出回っているVRの多くが360度で立体的なものを見ることができる動画コンテンツです。しかし、映像だけではすぐに飽きてしまい興味を維持することが難しいことが分かっています。そこでYspaceでは”インタラクション”の要素を欠かさないようにしています。実際に操作したり、ゲーム的要素を入れて体を動かす事で体験的に学ぶことで飽きにくい上に、楽しかった記憶が学びと結びつくため、次の学びへのモチベーションとなるのです。
・科学的要素が含まれている
宇宙を体験することができるゲームやVRコンテンツは多数存在しますが、科学的要素のないSFのようなものも多く散見します。
そこで、Yspaceではコンテンツの中に様々な工夫を施して科学的要素を加えています。
その1つがVRに実際の科学的データを用いるということです。月は「かぐや」という日本の衛星から様々なデータを得られています。Yspaceは実際の衛星から得られたデータから生成された月面のマップをVRの中に取り込み、その中で月面体験ができるようにしています。
生で見ることはできなくても実際に取得されたデータであることで没入感もぐっと増し、宇宙の不思議や面白さを体感することができるのです。
月面のマップは共同研究を行っているRESTEC(一般財団法人リモート・センシング技術センター)さんのデータを利用しています。そちらに関してはまた別の記事で詳しくご紹介しますね。
おわりに
日本において、令和は間違いなくVRの普及が進む時代となるでしょう。それに合わせてVR教育の市場は急激に伸びることが予想されます。むかし教科書の挿絵でしか見ることのできなかったものを目の前で触りながら学ぶことができる時代がすぐそこまで迫っているかもしれませんね。
Yspaceは宇宙VRによる教育活動を行っています。ご興味がある方は、こちらよりお問い合わせください。