宇宙xテクノロジー by Yspace

宇宙とテクノロジーについての解説

月面キッズキャンプ【連載:宇宙×VR×教育 第三弾】

面キッズキャンプ【連載:宇宙×VR×教育 第三弾】

グリー株式会社、株式会社TBSテレビが主催している宇宙VRイベントで体験できる4つのVRコンテンツについて紹介します!

第三弾となる「宇宙 x VR x 教育」をテーマにした今回の記事は、現在よみうりランドで展開している宇宙VRの制作の裏側をご紹介します!

今回、Yspaceはグリー株式会社さんと共に4つの宇宙教育コンテンツを制作しました!

©グリー株式会社

 

月面の物理現象をVRで体験できるラインナップはこちら!

①月面ドライブ②月面シュート③月の形のミステリー④月ロケットツアー

 

1つずつ紹介していきましょう!

まず一つ目は、レゴリスと呼ばれる月面に広がる細かい砂の上をどのようなタイヤで走れば一番速く走れるのかを学ぶことができるコンテンツ。その名も「月面ドライブ」。

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実際に運転に臨場感が出るような雰囲気になっていますね!!

月面は大きく分けて平坦な道、上り坂、下り坂の3種類があります。これは地球上でも同じですね。

速度が速いといえば...F1ですね。F1と言えばルイス・ハミルトンアイルトン・セナが乗っているかっこいいF1カーを思い浮かべます(自分が大学時代に「ハミルトンの正準方程式」を解いているときによくルイス・ハミルトンを思い出してました 笑)

      Lewis Hamilton, Mercedes AMG F1 W08, Max Verstappen, Red Bull Racing RB13 ©motorsport.com

このような写真を見てみるとタイヤが丸いですね。しかしこの形状のタイヤは”月面”で本当に早く走ることができるのでしょうか?

次の写真を見てみてください!

月面はレゴリスと呼ばれるパウダー状の細かい白い砂に覆われているため走行が難しそうですね!

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©NASA

 

そこで今回VR中の月面上で試せるタイヤは3種類用意しました!(以下の写真)

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左からベルトタイヤ(※戦車のようなキャタピラタイヤ)、ギザギザタイヤ(※羽が付いたようなタイヤ)、そして丸タイヤ。

さぁ、一番早く走ることができるタイヤの種類は。。。

答えはVRの中で確かめてみてくださいね!!

残念ながらネタバレになってしまうので、ここではお話しできませんがここで知るよりも実際に運転して体験してみるとより理解できると思います!

 

Yspace x 月面 x 解析

今回、Yspaceはこのコンテンツにおいて、ストーリーの企画とタイヤの走行解析、ラジコンの制作を担当しました。

なぜ今回ここの部分を担当したかというとYspaceのメンバーの特性も関係しているんです!

Yspaceの中には、Google が主催する国際月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」において日本チームである「HAKUTO」に所属しておりホイールの構造や材料解析を行っていたメンバーと、もう1人は大学院博士課程で不整地走行ローバーを研究していたメンバーがいます。

ではYspaceが今回一番苦戦したところはどこかというと、まさに「走行性能」のところです!

NASAのホイールも月面探査レースに出ているチームのホイールも形は様々です。

これは探査場所や有人探査・無人探査の違い、ホイールの直径の大きさなどが関係しています。

その為、実際に写真のような同じサイズに合わせた場合、それぞれのホイールがどのように走るかを摩擦係数、ホイールのサイズ、重量を考慮して計算で出した後に、実際にそれが正しいかどうか調べる必要がありました。

そこで、月面の走行試験ができる場所で走らせてみることにしました。

さてその実験場所はどこかというと、日本の宇宙開発をリードしてきたJAXAです!!

その中でも主に宇宙の研究開発を担当している宇宙科学研究所、通称「ISAS」と呼ばれる研究所の中にある月面を模擬した「宇宙探査実験棟」で走行テストを行いました。

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©JAXA/ISASJAXAホームぺージ参照(http://www.ihub-tansa.jaxa.jp/afse.html

実は著者である私も学生の頃はこのISASで研究を行っていたため、なじみのある場所でもあります!その当時はまだこの施設はなく、月面探査の為に作られた最先端の試験設備なんです!

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©JAXA/ISAS

走行テストの時の映像もよみうりランドの「月面キッズキャンプ」にて見ることもできるのでどんな場所なのか、どんな動きをしていたのかも見てみると面白いですよ!

Yspace x VR x 教育

今回のコンテンツの制作では以下5つの工程を踏まえています。

①コンテンツの目的の明確化

②3種類のホイールの解析

③3種類のホイールに特化した月面探査機を模擬したラジコンの制作

④3種類のホイールの走行テスト

⑤条件付きでのホイールの走行性能の解析

このように一つのVRコンテンツを作るのにも多くの知識と解析が含まれているんです!

しかし、このような解析ができたとしても面白いVRコンテンツになるわけではありません。何度も何度もグリーさんのVRエンジニア、プランナーの方と話し合い、宇宙教育的にもエンタメ的にも面白いコンテンツになっていると思います!

ぜひ皆さんもよみうりランドで月面ドライブを体験してみてください。

 

 

Yspace x 宇宙教育

宇宙教育という観点において一番重要なのは「科学的に正しい」ということです。

その為に宇宙開発に携わってきたエンジニアやローバー/ロボティクスの専門家の知識と経験は大きな武器になります。

 

しかし、現在までに実際に月面でバギーに乗ったことがある人はほんの数人しかいません。

今回の月面キッズキャンプで月面ドライブを体験した人から将来の宇宙飛行士が出た時に実際の乗り心地を教えてもらいたいですね!

 

最後に、月面ドライブを楽しんでいる著者の写真です。

 みなさんも、よみうりランドへ行ってみよう!! 

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 他の3つのコンテンツに関しては次回のブログで!