既に人類は火星に？？宇宙×VRのイマ
“Believer it or not, NASA astronauts have already visited Mars”
「信じるか信じないかはあなた次第ですが、NASAの宇宙飛行士はすでに火星に到達したことがあるのです。」
フロリダ出身のDyllan Furnessというアメリカのライターはある記事でこう書いています。
えっ、まだ人類は火星に踏み入れたことはないはずじゃ、、、？
映画「オデッセイ」は現実だったのか？？
その記事ではこう続いています。
“— in virtual reality”
「—VR（仮想現実）の中でね」
映画「オデッセイ」より
【VR元年】と呼ばれた2016年から早2年。新宿やお台場をはじめとするVR体験施設や、ハコスコ/PSVR/Oculus goなど家庭用VR端末の登場により一度はVRで遊んだことがある方も多くなってきたのではないでしょうか？
VRと聞くと「エンタメのコンテンツ」というイメージが強いかもしれません。しかし、建築業界ではVR空間にCADデータを投影してデザインの設計を行ったり、自動車メーカーではランボルギーニに試乗体験できるVR展示を行うなど、実社会でも様々な活用事例が存在します。
宇宙業界もその一つです。NASAでは、実は30年も前からVRの活用が試みられており、すでに宇宙飛行士の訓練などにVRを導入されています。15年後には本当に火星に向かうこととなる宇宙飛行士たちは仮想現実の中ではすでに火星の地に足を踏み入れているのです。
2018年5月10日には、NASAが現在国際宇宙ステーション（ISS）で”Expedition55”というミッションにアサインしている２人の宇宙飛行士(Ricky ArnoldとDrew Feustel)が第201回目となる船外宇宙遊泳の前にVRを用いてシミュレーション訓練を行ったと報告しています。
そうなんです。なんとVRヘッドセットは宇宙空間のISSにも持ち込まれているのです！
ちょっとした操作ミスだけで命を落としてしまう危険なミッションだからこそ、事前に入念なシミュレーションが求められています。VRは、本番さながらの緊張感を演出し、あえて危機的状況を作り出してその対処法を訓練することに用いることができます。
Image Credit : NASA
また宇宙空間を再現するのとは反対に、ISSに滞在している宇宙飛行士のために「地球環境を再現する」という取り組みも進められています。
NASA Johnson Space CenterのNoyes氏は「重力のない宇宙空間では、骨密度や筋力を維持するために一日2時間のトレーニングが必要になります。クルーたちは毎日のトレーニングに飽きてしまいます。ISSの環境をVRによって彼らの好みの運動場や、家族の写真にすることで大きな精神的支えになるでしょう。」と述べています。
近年発展の目覚ましい宇宙業界。VRという技術を導入することでこの先どのような世界が訪れるのか、とても楽しみですね。今回紹介したVR以外にもポケモンGOで一世を風靡したAR(Augmented reality)やMR(Mixed Reality)などもNASAで導入されているので、また別の記事でご紹介しますね。
Image Credit : NASA
ちなみに、米Oculus VR社からは“ Mission:ISS | Oculus ”という宇宙飛行士の船内活動を体験できるゲームが無料で公開されています。今年5月2日に米Oculus VR社から発売されたスタンドアロン型のヘッドセットOculus Goでも遊ぶことができるこの作品はNASAが協力して制作しただけあってとてもクオリティが高いです。宇宙飛行士を体験してみたい方はぜひ遊んでみてください！
[参考]
https://www.digitaltrends.com/cool-tech/nasa-virtual-and-augmented-realities/
https://www.oculus.com/experiences/rift/1178419975552187/
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